整形外科・リハビリテーション科
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脱臼
関節を構成する骨がずれた状態が、脱臼です。けがや病気が原因です。
脱臼すると、激しい痛みや変形を生じます。骨以外の部分の関節の損傷や骨折を伴うこともあります。- 〈当院での治療〉
- 治療の基本は、はずれた骨を元の位置へ戻すこと(整復といいます)です。整復の次には、関節の固定を行います。固定は1~3週間程度です。固定の次には、後療法(リハビリ)を行います。脱臼は、場合によっては手術を必要とすることもあります。
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変形性関節症
関節を構成する骨の表面は、関節軟骨というもので覆われています。その関節軟骨は、加齢や使いすぎなどがあるとすり減ってきます。そうなると、関節の強い痛みや腫れや水がたまる等の症状が起こってくることがあります。この状態を放置すると関節が変形してきます。このようにして変形した関節を、変形性関節症といいます。変形性関節症は膝関節に最も多くみられます。
症状が軽い間に、整形外科を受診されると症状の進行が少しでも遅くなります。- 〈当院での治療〉
- 薬を使ったり理学療法をしたり、時には手術をします。
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腱鞘炎
手首や首の親指を使いすぎると、手首や親指の付け根が激痛になることがありますが、それが腱鞘炎です。「腱鞘(けんしょう)」とは、腱をおおう鞘(さや)のことです。長さの長い腱は、その動きをスムーズにするために所々、パイプ状の鞘が腱をおおっています。このパイプ状の鞘を腱鞘といいます。手や指を使いすぎると腱と腱鞘が過剰摩擦して炎症を生じます。この炎症が腱鞘炎です。
- 〈当院での治療〉
- 基本的には外用薬を用いますが、症状がひどい時は注射や手術をすることもあります。
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五十肩
「五十肩」とは、50才代を中心として中高年の人が悩まされる肩の痛みです。五十肩の原因は、はっきりとはわかっていません。「動かしても痛いし、じっとしていても痛い」、「肩が上がらない」等の症状があります。
肩関節は、骨の動きがたいへんよい関節です。動きがよいことは、骨だけでは構造的には不安定だということです。だから、不安定を補強するために、関節周囲の組織の強度は高くできています。しかし、もし肩を酷使すると関節周囲の組織は、肩の硬さや骨のパワーに負けます。負けた結果、関節周囲の組織はひどく疲労し炎症を生じます。
この炎症が、五十肩です。肩関節周囲炎が、医学的な病名です。- 〈当院での治療〉
- 治療の基本は、鎮痛と可動域の改善です。
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椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアとは、背骨の椎骨と椎骨の間で、クッションの役割を果たしている椎間板という軟骨が、変性(性質が衰えること)し、その変性した椎間板の一部が周囲に飛び出してしまった状態をいいます。変性する理由は、加齢・遺伝・姿勢・重労働・喫煙などが考えられています。
変性した椎間板が、身体の後部に飛び出した場合、脊椎や神経根を圧迫すると激痛やしびれや麻痺を生じることがあります。
椎間板ヘルニアは、腰部や頚部でおこりやすいです。- 〈当院での治療〉
- 手術の時とそうでない時があります。
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むちうち症
むちうち症は、交通事故やスポーツなどにより首に不自然な力が加わり、首が鞭のようにしなることが原因で生じます。だから、医学的には頚椎捻挫・頸部座礁・外傷性頸部症候群などと診断されます。首の後ろの痛み、肩の痛み、首の運動制限などの症状が見られます。痛みや違和感があれば、整形外科を受診してください。
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外反母趾
外反母趾とは、足の親指が小指側に曲がってしまっている状態をいいます。進行すると、足の親指が赤く腫れたり激痛を発します。
原因は、はきもの・遺伝・その他多くの因子です。- 〈当院での治療〉
- 歩き方の指導・矯正装具・消炎薬・手術などです。
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骨粗鬆症
骨粗鬆症とは、骨の強度が低下して骨折する危険度が高くなる状態です。原因は、加齢・閉経・薬物・栄養不足・運動不足などです。高齢者などの場合、骨折が原因で介護が必要になったり、寝たきりになったり、認知症になったりすることもあります。
- 〈当院での治療〉
- 薬物治療とともに、生活習慣の改善(食生活など)・運動療法などです。
当院では、骨密度の測定検査ができます。
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関節リウマチ
関節に炎症が生じ、痛みや腫れを来たし、増強して軟骨や骨の破壊を生じる治療が難しい病気です。寛快と再燃増強を繰り返します。原因は、自己免疫異常です。本来、外敵を攻撃して外敵から自己を守るべき自己免疫が、なぜか、異常を来して自己の組織や細胞を攻撃する状態。その攻撃によって炎症が生じます。早期発見、早期治療が大切です。
- 〈当院での治療〉
- 長期に渡る薬物療法が中心になります。
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側弯症
側弯症とは、脊柱(上から下まで背骨全体)が、側方(身体の横)へ弯曲し、同時にねじれを生じた状態です。原因は不明です。男性より女性に多く、10才前後から思春期に進行することもあります。学校検診などでは、早期発見の努力が行われています。
- 〈当院での治療〉
- 進行する場合は装具装着などを行います。
肺機能低下や肺性心のおそれがある場合は、手術的矯正を行います。